学習塾で最近は体験塾や見学会などが主催されていることも多く、有名なところでは塾にわざわざ芸能人を呼んで講義を開催したりと、さしずめ客寄せのようなことをしているところまであります。
無料で体験授業をしているには、二通りの意味が塾側にあるといえます。一つは、塾を決めるのにその内容がどんなものかわからないのでは、生徒や保護者も不安でしょうから、その不安を取り除く「お試し」という意味。そして人は他人からよくしてもらうとそれに答えようとするという人間の性質の「ただで授業をしてもらったので、せっかくだから」という心理を掴んだ集客効果ということです。
しかし少子化で少なからず塾の経営は非常に厳しい状況下にありますので、2番目の効果は今では薄れてきているといえるかも知れません。
しかし大手進学塾ではそうしたことでもしないと、大きな教室を埋める小渡生徒を集めるのは困難ということがあるのかも知れません。
実際、体験授業といっても、普段の通り授業をしてそれを見せる場合もあるでしょうが、現実としては講習のような形態で行われることが多く、そこに通っている生徒ではなくその時期に入塾する生徒だけを集めて、そうした「体験授業」といういわば特別な授業を開催する事が多いようです。従い、教師の質やカリキュラムの進め方など、どうしてもいきなり普段と同じの授業では、営業的にあまり魅力はないし、かといってくだけすぎてもこれもまた、あまりマジメには捉えられないということで、無難な授業展開になりがちです。
セールス力で生徒を集めている塾なのか、自然と生徒が集まってくる塾なのかはここでどういう授業をしているかでも推し量れるといえます。
また仮に普段の授業であっても、こちら側で質問するわけのも行かず、また他の生徒も多少は気にするし緊張もしますし、その体験授業でどれほど塾の内容は把握できるかといえば、そこには限界がみえます。
しかし効果が全くないとはいえず、例えば教室の環境、講師による教育理念の説明、塾の特徴などパンフレットにはない説明も聞くことが出来るでしょうし、生徒として実際にこなければわからない教室の設備、冷暖房の通風口の位置とか、窓の配置、教室の明るさ、マイクの有無、黒板の位置、個別指導なら机の作りやイスの座り心地など、塾での講義は時として学校よりも長めになることも多いので、設備などは確認はしておきたいですね。
その他来てる生徒の様子、や自習室など恐らく体験授業ではそれだけではなく、施設の説明もあるはずですので、詳しく塾について知るには、体験授業はうってつけといえるわけです。授業の開始、終了後の過ごし方や来ている生徒から塾について色々聞けるかも知れません。授業の内容は勉強というよりも「体験」ですので、カリキュラムの進め方や塾の考え方程度の説明で終わるでしょう。
その体験授業を受講することを条件につけるところもありますが、なるべくなら通いたい塾を数カ所決めたらそこの体験授業は一通り見ておきたいですね。
塾側としても例えば親御さんと共に参加してもらう場合、そこが塾のアピールの時間ですから、なるべく公表したくない情報は控えながらも、塾の特色はハッキリと述べるはずです。
また体験授業に合わせて、面談がある場合もあるので、その前にいくつか下準備をしておいた方が良いでしょう。その下準備とは、苦手科目と、志望校があればおおよそのランクを把握しておくということです。個人情報との関係もありますのであまり詳しく伝える必要はないとは思いますが、ある程度具体的な学力や志望校まで伝えれば、そこでのコースや授業がどんなものなのかを具体的に教えてもらえるかも知れません。
それに体験授業を行っているということは、有る程度は授業内容に自信がなければ行わないでしょう。やっていないならば、授業に自信がない塾か、徹底的に経費の削減に努めているとも捉えることも出来ます。しかし無料かどうかは確認が必要です。
体験授業の時期と講師についてですが、時期限定の体験授業は、看板講師による特別授業である可能性が高く、「定員に空きがあるクラスなら、いつでもOK」という塾は、どの授業を見られても大丈夫という自信があると捉えることが出来ます。体験授業は、通塾することになったら実際に担当してくれる先生の授業を体験しないと、特に中規模ぐらいの塾では、授業そのものから得られるものは、先にかいたようにあまり多くはありません。
実際の体験として授業に近いのが、時期が学年の始めでは新学期に備えた春期講習など、講習というかたちの夏期や冬季の臨時講習。これは入塾希望者向けに実施されているところもあり、申し込めば誰でも参加できるところもあります。その内容は塾生とそう変らない様子で授業を受けることが可能ですので雰囲気は掴みやすいと思います。
塾側でこうした「体験授業」の他にもそうした講習はうけてみてもいいと思いますね。
わたしが高校受験したときは、中学校に大学での夏期講習の案内があり、そこで予備校の講師が来て特別講習(特別学習講座という名前でした)を受けて、翌年3年生の時にその学習塾に通った覚えがあります。
あとは体験授業の機会がある時に、塾側の資料や公表してる前年の合格者や、また来ている生徒の学校の情報などを知ることも重要。活発に授業や講習を行っているところほど、資料が多く見つかり、清潔で一見綺麗で何もないところは、かえって講師もサラリーマン的で、塾側も単なるカリキュラムをこなしているだけといった印象はあります。
また、教室が数カ所あるだけで、自習室も休憩室もないところでは、教師と生徒の交流などは期待できませんし、生徒が帰ると同時に先生も帰宅するような場合、あまり情熱を持った塾とは言えないかも知れません。積極的な塾であれば、翌日の準備で忙しいはずですし、休憩室で生徒が何人かいれば、少なくとも生徒にとっては多少居心地のいいところであると感じられます。
人柄が感じられない教師は例え塾であっても、生徒からは質問を多く受ける先生とはいえません。学習補助という立場である以上、そこには生徒との交流はむしろ学校よりも盛んな場合だってあります。
美術や音楽など技術的な指導を行う塾ならば、具体的な文字通りの体験ができるのですが、勉強という継続が必要な分野でのたった一日での体験授業ですから、授業内容というよりも教師の人柄や、理念、情熱などの抽象的な印象を推し量るか、情報収集に限られてくるとは思います。